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2020.5.26

東京湾直下フィリピン海スラブの地震

 

                        佃 為成

 

2020年5月に、飛騨山脈(北アルプス)付近の群発地震や東北地方太平洋沖の有感地震数回とともに、東京湾でも、この地域としてはやや目立った地震活動がありました。

 

この活動の震源は、東京湾をほぼ東西に横切り、神奈川県川崎市を通り、東京都町田市付近へ続く地震帯に属しています。相模湾から潜り込んだフィリピン海プレート(スラブ)内部か、陸側プレートとの境界付近の深さ20-30kmのところで起こっています。

 

今回は、東京湾内の東部に位置する小さな震源クラスターを形成しました(震源分布図の震央図に矢印)。M1.0以上の地震の分布では、クラスターが見えにくくなるので、震源分布図はM2.0以上としました。

 

主な地震は

2020.5.20 14:54 M2.9 h30km 

2020.5.20 15:00 M2.9 h30km

2020.5.21 02:07 M3.5 h20km

2020.5.21 03:05 M3.1 h20km

です。

 

次に、時系列はM-T(マグニチュード – 時間)図で示しました。ここでは、全体の活動傾向が見やすいように、地震を絞りM2.5以上としました。

 2011年3月の東北地方太平洋沖地震(M9.0)が発生した後、翌日から地震回数が急増しています。最近は活動がやや低調でした。

 

ところで、東京湾付近直下には太平洋プレートのスラブも存在します。そこでは、深さ70kmぐらいの地震が時々発生します。例えば、2005年7月23日、千葉市直下の地震(M6.0, h73km)があります。このときは、東京などで震度5を記録しました。

 

(図の作成には東京大学地震研究所のTSEIS web版を使用しました。データは気象庁のJMA_PDEです)

2015年9月12日 東京湾の地震

      佃 為成

 

 震源地は東京湾(北緯35.5度、東経139.8度)で、震源の深さは約57km、地震の規模(マグニチュード)は5.3と推定されます。

 

  東京湾直下の深さ70kmぐらいには、地震の巣があります。

M5.3で、やや深い地震なので、最大震度は5より小さいのが、普通です。

調布市の西つつじヶ丘で震度5弱であったため、一斉に報道されましたが、

調布市の小島町などでは、震度3でした。

 観測している場所の地盤によって震度が影響されるため注意が必要です。

 

 

東京湾200527-1.jpg
東京湾200527-2.jpg

気象庁

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