2024.8.11
2024年8月9日の神奈川県西部地震
佃 為成
日向灘にて沈み込むフィリピン海プレートの境界で8月8日、M7.1の地震があり、南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」が発表されました。
今度は、8月9日19:57に、フィリピン海プレートの沈み込み域の東側の部分、神奈川県でM5.3の地震がありました。東京でも有感。いわゆる南海トラフ地震の震源域から外れていますが。
2020.5.26付けの解説情報「東京湾直下フィリピン海スラブの地震」(コラボNo.6 p.85)の震源分布図をご覧ください。今度の地震の震源は神奈川県の西部、秦野市直下(東経139.2゜, 北緯35.4゜, 深さ10km)です。プレート境界の逆断層だそうです。沈み込んだプレート(スラブ)は、東京あたりでは深さは20-30kmですが、沈み込む手前の秦野あたりは10kmになっています。
ところで、関東大震災を起こした1923年9月1日の地震(M7.9)は、もっと南側手前の相模湾で起こっています。このスラブはこの湾で東の三浦半島直下、北西向きに沈みこんでいます。そこが震源。
2020.5.26
東京湾直下フィリピン海スラブの地震
佃 為成
2020年5月に、飛騨山脈(北アルプス)付近の群発地震や東北地方太平洋沖の有感地震数回とともに、東京湾でも、この地域としてはやや目立った地震活動がありました。
この活動の震源は、東京湾をほぼ東西に横切り、神奈川県川崎市を通り、東京都町田市付近へ続く地震帯に属しています。相模湾から潜り込んだフィリピン海プレート(スラブ)内部か、陸側プレートとの境界付近の深さ20-30kmのところで起こっています。
今回は、東京湾内の東部に位置する小さな震源クラスターを形成しました(震源分布図の震央図に矢印)。M1.0以上の地震の分布では、クラスターが見えにくくなるので、震源分布図はM2.0以上としました。
主な地震は
2020.5.20 14:54 M2.9 h30km
2020.5.20 15:00 M2.9 h30km
2020.5.21 02:07 M3.5 h20km
2020.5.21 03:05 M3.1 h20km
です。
次に、時系列はM-T(マグニチュード – 時間)図で示しました。ここでは、全体の活動傾向が見やすいように、地震を絞りM2.5以上としました。
2011年3月の東北地方太平洋沖地震(M9.0)が発生した後、翌日から地震回数が急増しています。最近は活動がやや低調でした。
ところで、東京湾付近直下には太平洋プレートのスラブも存在します。そこでは、深さ70kmぐらいの地震が時々発生します。例えば、2005年7月23日、千葉市直下の地震(M6.0, h73km)があります。このときは、東京などで震度5を記録しました。
(図の作成には東京大学地震研究所のTSEIS web版を使用しました。データは気象庁のJMA_PDEです)
2015年9月12日 東京湾の地震
佃 為成
震源地は東京湾(北緯35.5度、東経139.8度)で、震源の深さは約57km、地震の規模(マグニチュード)は5.3と推定されます。
東京湾直下の深さ70kmぐらいには、地震の巣があります。
M5.3で、やや深い地震なので、最大震度は5より小さいのが、普通です。
調布市の西つつじヶ丘で震度5弱であったため、一斉に報道されましたが、
調布市の小島町などでは、震度3でした。
観測している場所の地盤によって震度が影響されるため注意が必要です。
気象庁