top of page

             

           2022.1.26

2022年1月22日日向灘北部の地震 (M6.6)について

 

                       佃 為成

 

潜り込むフィリピン海プレート内で、2022年1月22日 01:08、豊後水道南端付近の日向灘でM6.6, 深さ(h)45kmの地震が発生しました。

大分県で、震度V強を記録しました。

 

まず、安芸灘から日向灘までの地域の約100年間の震源分布(M>=6.0)を示します。M7を越える大きな地震は宮崎県沖の日向灘で発生しています。

豊後水道・安芸灘付近では2001年3月24日の芸予地震(M6.7)が最大です。

 

今回の地震の震源地は日向灘となっていますが、地震発生のメカニズムを考えると、豊後水道の地震のグループに入れた方がいいと思います。

さて、プレート内で発生する微小地震の震源分布(1995-2001年頃)を次に示します。長方形で囲んだ領域の部分の震源の深さ分布が示されています。

 

瀬戸内海安芸灘辺りから豊後水道、日向灘にかけて、フィリピン海プレートは、強く曲げられ急角度で潜り込んでいます。

 

豊後水道付近では、深さ100km辺りは垂直近くになっています。プレートを曲げる力の考察から、九州方面から強く押されていると推定されました。

 

雲仙、阿蘇、久住、霧島、桜島の火山では物質の上昇があり、地表付近にそれがやってくると横へ広げようとするわけです。その力が作用しています。

 

曲げられたプレートの内部は引っ張りの力が働き、正断層の地震を起こします。今回の地震も、2001年芸予地震もそうでした。プレート内の比較的浅い地震の多くは正断層型です。一方、日向灘の大きな地震はだいたいプレート境界の逆断層です。

     
 

2201126-1日向灘北部.jpg

見出し h1

 (図の作成は東大地震研究所TSEIS web版の気象庁データJMA_PDEを使用)

220126-2日向灘北部.jpg

上図は以下の論文より:

佃 為成・三浦勝美,2001年芸予地震とプレートの曲げモーメント,地震2,55, 91-96, 2002 

bottom of page