中国地方 島根県



2026.1.29
2026年1月6日島根県東部の地震 (M6.4) について (1)
佃 為成
2026年1月6日 10:18、島根県東部でM6.4, 深さ(h)9kmの地震が発生しました。島根県松江市、安来市、鳥取県境港市、日野町、江府町で震度V強を記録しました。
この地震は、2000年10月の鳥取県西部地震(M7.3)の弱い余震域付近に発生し、この地域には、古くは1991年8月28日にM5.9の地震が発生しています。
まず、この地域の過去の地震活動を振り返ってみましょう。震央図で示します。震源の深さは20km未満です。2000年より古い時期と2000年から2025年までの、2000年鳥取県西部地震を含む活動を分けて示します。
2000年M7.3の地震の本震の震源断層沿いに主な余震は集中していますが、この主な余震域の北西-南東方向に伸びた活動域に並行した活動域が、広島県に近い鳥取県、島根県の県境付近にあります。ここの余震は、本震から2日後から活動をはじめました。
弱い活動ですが、もう一つ、これらにほぼ直交する安来市に近い所にも余震の活動域があります。2026年1月の地震はこの領域で発生しました。
このように、この地域の地殻内地震は、ほぼ東西圧縮の場で、その方向に斜め向きの割れ目として地震断層(横ずれ断層)が発生しています。
山陰のこの地域はだいたい東西圧縮による北西-南東か、南西- 北東方向の横ずれ断層を造ります。地震分布からも伺えます。その意味についてはコラボNo.3のp.42をご参照下さい。
(図の作成は東大地震研究所TSEIS web版の気象庁データJMA_PDEを使用)
2026.1.29
2026年1月6日島根県東部の地震 (M6.4) について (2)
佃 為成
2026年1月6日 島根県東部の地震 (M6.4) とその余震についての図を示します。
右側の図は今年に入ってからの地震の震源分布。下の図は、その活動の時間変化を示すM-T図です (図の作成は東大地震研究所TSEIS web版の気象庁データJMA_PDEを使用)。
余震の震源分布を見ると、本震の震源断層がどんなものかが分かります。断層面は垂直に立っていて東北東 – 西南西に伸びています。余震域の長さは、10kmぐらいです。M6ぐらいの震源断層はだいたいこのくらいです。
今回の地震は2000年のM7.3の地震から約25年も経っているのですが、実は、M7.3地震の最大余震です。これまでの最大余震はM6以下でした。
統計データによりますと、最大余震のMは本震よりだいたい1小さいのです。
過去、1995年兵庫県南部地震(M7.3)でも、最大余震は2013年に淡路島で発生したM6.3や、2018年の大阪府高槻の地震(M6.1)です。鳥取の場合、発生から約25年後に発生したことになります。
実は、2011年東北地方太平洋沖地震(M9.0)の最大余震はM8前後のはず
ですが、まだ発生していません。
2019.10.4
島根県海潮温泉と地震
佃 為成
2000年10月6日に発生した鳥取県西部地震(M7.3)の前、島根県雲南市大東町の海潮温泉3号泉では10月4日に湧出量が激減しました。
地震の前日にはほぼ回復し、地震後は白濁したことがわかっています。それを受けて、東京大学地震研究所は、2001年4月、水晶温度計による精密水温観測を開始したのです。
2006年4月、新しい4号泉開設に伴い、3号泉のポンプは稼働停止しました。そのため、水温が以前の34℃前後から徐々に下降し、現在では25~27℃程度になりました。水晶温度計の観測は、機器故障のため2015年12月9日で終了し、2016年11月21から、白金抵抗体温度計の観測に転換。この器械は、ときどき文字化けというデータ異常が発生しています。原因はまだ不明。
文字化け部分を削除したデータは、度々、データ抜けになります。
2008年5月12日の中国の四川大地震(2,700km離れています)、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震のような大きな地震のゆっくりした地盤の大きな揺れは、温泉水温の上昇変化を起こします。温泉水が上がってくる通り道は岩盤内の亀裂の群です。岩盤が揺らされるとどこかの亀裂がぽかっと口を開けて、温泉水が通りやすくなり、地震の後、水温が顕著に上昇するのです。時間が経過すると、口を開けた亀裂は、また閉じてしまいます。この急上昇した水温が徐々にもとに戻ります。
2016年以降の新しい温度計には、2018年4月9日に島根県西部、三瓶山の北西部で発生したM6.1の地震に伴う変化が記録されました。直後の上昇(0.4℃)後、約10日後に元の水温に戻り、その後は水温はしだいに下降しています(-0.7℃)。観測点付近の地下岩盤は地震後膨張したものと考えられます。
註:水晶温度計のセンサーは深さ45mに設置されていましたが、新しい白金抵抗体温度計では深さ25mです。したがって水温は約5℃低くなりますが、計測値に+5℃加算して表示しています。

