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東海地方の観測情報

  

                                2023.12.21

 

          東海地方の観測情報

 

               佃 為成

 

 

東海地方では、様々な「地下からのサイン」が見つかっています。東海地方の主要な水温観測点は焼津と静岡にあります。焼津市立大富小学校内井戸(OT)と静岡市中島浄化センター内自噴井(NK)には精密水晶温度計、焼津市元焼津公園内井戸(YZ)には白金抵抗体温度計が設置されています。但し、OTの精密水温計は、機器故障により2014年9月5日以降欠測。2015年4月15日より白金抵抗体温度計に交換。季節変化(機器による)を除去してグラフに。

地図に水温観測点の位置を示します。

 

OTでは水位観測もおこなっています。

 

グラフのデータは、上から元焼津(YZ)、焼津市大富小(OT)、静岡市中島浄化センター(NK)の水温です。

 

元焼津(YZ)は、2009年8月駿河湾地震(M6.5)以降は自噴しています。それまでは、時々自噴していました。グラフに示したのは自噴時の水温です。2009年頃から水温上昇傾向(0.0087℃/年)。近年は停滞か。

 

同じ焼津市内の大富小(OT)でも水温上昇が続いていました。2015~2016年は水温ほぼ一定。 2017年12月より2019年5月までに発生したセンサー接続不良による値の飛びは補正。現在の器機は不安定です。

 

静岡(NK)は、上昇と下降を繰り返しています。2009年駿河湾地震(M6.5)の約2年前に上昇が止まり、1年前から下降、M6.5地震後、下降率は増大しました。地下岩盤の膨張が原因です。2013年からは岩盤収縮を示す水温上昇でしたが、2015年末から上昇率がやや小さくなり、2016年10月からの下降はまだ続いているようです。上記各データは2023年12月中旬まで。

                              2023.12.21

 

       東海地方の観測情報(補足)

 

               佃 為成・上久保廣信

 

 

東海地方の観測情報を補足します。地図に水温観測点の位置を示します。OTでは水位観測もおこなっています。

 

 

グラフのデータは、上から浜松市中郡小学校(NG)、沼津市沢田(NZ)、神奈川県伊勢原市(IS)の水温、焼津市大富小学校(OT)の水位です。

 

水温センサーは白金抵抗体で、センサーの位置は、NGが深さ30m、他は浅いところ(数m)。水位センサーは水圧計。

 

NG では、2014年後半から水温が下降し、2016年頃は停滞していましたが、2017年に入り急上昇。2019年3月など、センサー接続不良による値の飛びは補正。2021年からの水温急上昇は機器不良のせいかも。

 

NZ では2010年ごろまで下降していたのが、2010~2011年ごろから上昇傾向に転じました。最近、上昇率がアップしています。

 

IS では2011年ごろまで下降の傾向、その後ほぼ一定でしたが、2020年9月中頃、20日間に約3℃上昇しましたが、現在、下降しつつあります。

 

焼津のOTの水位は上昇傾向(2.8cm/年)。これは地盤低下を意味します。ごく最近は水位上昇の度合いがさらに大きいようです。

 

各地の長期的な変動に変化がはっきり見えてきました。データは2023年12月中旬まで(ただし、NGは2023年7月27日まで)。

               

 

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