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長野県北部白馬村の地震M6.7 と地下水温

 

 

 

 

2014年11月22日 の長野県北部、白馬村の地震M6.7に関する水温データをご紹介します。データはひどく暴れていますが、だいたいの傾向に注目すると、地震の5年ほど前から、水温は下降傾向が見えます。観測点の倉下の湯は震源域の神城断層の西側(下盤側)です。地震の前から歪(ねじれ)が生じ、下盤側では引っ張りが働き、岩盤膨張、上昇流体の量減少、水温低下となったと考えると、理解できます。温泉は地震後自噴が停止しました。これも地震による、より大きな岩盤膨張のためと理解できます。

 

添付のグラフは1日平均値。1998.10.15-2014.10.7の期間。白金抵抗センサー水温計。ただ、2005.4.20に機器交換。自噴してあふれた湯の湯溜で測定しているため、外気温の影響など擾乱が大きい。

 

 

2014.11.22長野県北部(白馬村)の地震M6.7 について

 

この地震は、1986-90ごろからその地震像が描き出されていた(地震予知総合研究振興会,1990,地震テクトニクスに関する総合研究 第3章 北部フォッサマグナ周辺に発生可能な地震像,83-142.)。この地震を観測するため、当初、防災科学研究所は小谷、地震研究所は白馬に地震観測点を建設した。地震研究所改組直後、白馬地域を主なターゲットとした共同研究プロジェクトが発足し、2007年まで継続した。2008年には 東京大学地震研究所彙報 第83号,第2冊(2008)に特集:「内陸直下地震の予知 - 地震研究所特定共同研究A」を組み、成果の1部を公表した。佃は2009年の定年後も、白馬村の温泉(倉下の湯)にて水温観測などを続けている。

 

 長野県白馬村地域における大地震発生予想の根拠

 

 本州を北北西から南南東に縦断する糸魚川・静岡構造線に沿った長野県北西部地域は1918年大町地震(M6.1)などの歴史地震が発生しており、現在の微小地震活動のレベルも高い。その中で白馬村付近は、以下の理由で地震の発生ポテンシャルが高く、大地震発生の時期が近い可能性がある。

 

1) 歴史上の地震の存在(1714年 M6.3)。
2) 活動度Aの活断層(神城断層)の存在。
3) 1714年の地震以後、白馬付近では目立った地震活動はない。気象庁のデータでも、M4以上の地震は最近約70年間、発生していない。長期の空白域である。
4) この糸魚川・静岡構造線に沿った地帯は、連鎖的に地震が発生する(1714, 1858, 1890, 1918年の各地震)。
5) 1986年の地震(M5.9)が前駆的な地震活動である可能性がある。
6) 90年間の三角測量(三辺測量)によると地殻歪が集中的に蓄積している。最大せん断歪は4~6x10-5(5~7x10-7/yr)。先の地震(1714年)から蓄積したとすると、緩和された分を考慮しても、地震がもうすでに発生してもよいという確率は高い。 最近のGPSデータによっても、東西方向の縮みが確認されている。
7) 地形や重力異常の分布図に現れているように地下構造が急変している場所。
8) 1983年から1992年の10年間の水準測量による上下変動は白馬村・小谷村付近で 4cm隆起。その前の10年間はむしろ沈降。(国土地理院,1993, 中部・近畿地方の地殻変動, 地震予知連絡会会報 49, 504-520.)
9) 最近のGPSデータによると、近畿地方から新潟へ抜ける線に沿った地域で水平変動が急変しているが、その地帯(新潟-神戸歪集中域)が糸魚川・静岡構造線を横切る地点に、白馬地域が位置している。
10) 上記変動地帯は地震活動帯であり、岐阜県の跡津川断層の活動と白馬付近の活動が同期する(1858年および1986年)場合も認められることから、ブロック構造の連結部に位置する可能性がある。
11) 大地震発生想定域とその周辺の最近の微小地震活動では、時々小規模群発活動があり、双子地震(1992年)も発生しており、糸魚川・静岡構造線に沿った地帯では最も活発である。各活動は震源核形成の芽生えを意味している可能性がある。最近では、付近に2001年後半から2005年にかけての群発地震活動および2005年春の群発活動があった。

 

 歪蓄積の範囲から規模を推定するとM6~7。震源モデルも検討されている。

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