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                         2016.4.22

2016年熊本地震の意味 (補足1)

                         佃 為成

 日本列島全体を眺めると、鹿児島県薩摩半島西方沖から天草、八代、熊本、阿蘇、大分の地震分布はつながった一帯の地震活動域(仮称「中九州活動域」)に見えます。細かく見たらどうなるでしょう。この活動域を海側(A)と陸側(B)に分けて活動を比べてみます。

 

 2011年東北地方太平洋沖地震(M9.0)の後の地震発生率増加は、熊本の地域(B)の方がはっきり分かります。また、海側(A)で2015.11.14に発生した薩摩半島西方沖地震(M7.0)の半年前の静穏化や2016年2月の活発化は、熊本地域(B)では見られず、(B)では2016年初めからの静穏化が認められます。熊本地震に先立ち、3~4ヶ月間、その震源域近辺で静穏化の前兆があったことになります。

 

 「中九州活動域」では、2011年東北地方太平洋沖地震(M9.0)の刺激を受けて活発化し、2015年初めに海側(A)で地震活動静穏化、約半年後の2015.11.14に薩摩半島西方沖地震(M7.0)が発生しました。2016年2月に入ると海側(A)で発生率が増加し、2016年初めから熊本地域(B)で静穏化があって4月からの大地震となりました。

 

 「中九州活動域」は、1000kmも離れたM9.0の地震の影響を受けやすいほど、歪が蓄積していて、地震を起こす応力も高まっていました。そして数1000年に1度の大地震が発生しました。南海トラフのプレート境界付近の歪の蓄積も、応力レベルも高まっているはずですので、他地域についても、地震活動変化や種々の地下からのサインに目を配っていきたいと思います。

 

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